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世界最高齢のアプリ開発者若宮正子さん!「hinadan (ひな壇)」開発にいたるまでの道のり!

2018年8月12日

若宮正子さんはおばあちゃんプログラマーとして海外でも有名な方です。

AppleのCEOであるティム・クックに招かれ面会するなど、Appleも認めるプログラマーなのです!
TEDxTokyoでも講演されていますね!

今年2018年2月には国連本部にも招かれ、基調講演も行っています。

そんな若宮さんが、パソコンに触れたのは、なんと60を超えてからとのことです!
それまでは本格的に触れたことはなかったそうです!

そこからパソコンの操作、そしてプログラミングを覚え、2017年にはスマホアプリまで開発してしまったのです!

本当にすごい!!

ただ、自分が何よりも素晴らしいなと思ったのは、若宮さんが何かに挑戦するということに対して年齢を取り払って常に考えている部分です。
本当に自分もとても共感です!

ここでは若宮正子さんのプロフィールとともに、昨年2017年に開発されたアプリhinadan (ひな壇)ができるまでの経緯等も含めてお伝えしたいと思います。



若宮正子さんのプロフィール

若宮さんは、高校を卒業後、大手銀行で60歳の定年退職まで働いていました。

話すことが大好き、出かけることが大好き、そんな若宮さんですが、当時は、母親の介護もされていたようで、定年後の暮らしには不安を覚えていたそうです。
仕事を退職した後は母親の介護で家から出ることが難しくなり、それは同時に人や社会との接点が一気に減っていくことも意味したからです。

そんな時、ふと読んでいた雑誌の中に、“パソコンがあると家から一歩も出ずにいろんな人とおしゃべりができる”という記事を発見したそうです。

これだ!!

若宮さんは思ったそうです!

そのまま当時はかなり高かったパソコンを衝動買いしたそうです!

この時点ですごいと思いました。
なにか記事を読んですごいな~、とか、いいな~、と思う人はたくさんいるかもしれませんが、実際に買って本気で取り組んでいこう、そんな決意とともに高額なものを衝動買いしてしまう人はなかなかいない気がします。

しかも、当時インターネットも普及していない時代にです。

今と違って情報も少なくパソコンの設定自体が大変な時代。
ネットを接続させるのに3ヶ月近くかかったそうです。

接続自体に3ヶ月・・、多分自分だったら挫折してます。
3ヶ月間もあきらめずに取り組んだというのは本当にすごいことです!

その後、パソコンの勉強を始め、2006年にはExcelアートというシニアの方向けの学習教材を開発しました。
2014年にはTEDxTOKYOでもこのExcelアートに関して登壇をしています。

80歳を超えた時には、プログラミング言語であるSwiftの勉強も始め、2017年にはスマートフォン用のゲームアプリであるhinadan (ひな壇)を開発公開します。

このhinadan (ひな壇)の開発で若宮さんは一躍世界でも有名になります。

同年の2017年にはアメリカのアップル本社に招かれ、世界で最高齢の女性アプリ開発者として紹介されています。

繰り返しになりますが、もう、すごい、の一言です。

60歳を超えてから、パソコンに触れ、そこからプログラミング言語を学び、最終的にスマートフォン用ゲームアプリを開発、これが若宮正子さんのプロフィール概略です。

Excelアートとは

Excelアート
引用元 : EXCEL ART MUEUM

60歳を超えてパソコンに触れるようになった若宮さんですが、シニア向けのパソコン学習教材にはいまいち面白味のある教材がないことに気が付きました。
マイクロソフトのExcelに関しても学ぶことのできる教材はありましたが、関数や数字の羅列が基本、遊び感覚で楽しみながら学ぶといったものとはまた違っていました。

一方で、シニア世代には手芸といった編み物が好きな人、得意な人が多いことにも若宮さんは着目しました。

それじゃ~、手芸の延長線上にExcelを持ってくればよい、こうして生み出されたのがExcelアートです。

ExcelアートはExcel上のセルを色で塗りつぶし、罫線やパターン・グラデーション等を使用しながら、文様やイラストを完成させていくデザインのことです。

下記リンクにあるように、菱形やらい門、べっ甲といった日本古来の文様から、3Dデザインまで多種多様なアートを創作することができます。

Excelアート展示館

とりわけ自分が驚いたのは、堀内辰男さんという方のExcelアートです。
これ本当にExcelでできてるの?と目を疑ってしまうような美しい作品の数々です。

堀内辰男のホームページ (新作展示室Ⅱ)

Excelアートを使うことで、高齢者の方でも趣味の延長線上でパソコンの操作を楽しみながら学んでいけるのです。
シニアでも楽しめるデジタルアートとして大きな注目を集めました。

hinadan (ひな壇)とは

hinadan (ひな壇)

若宮さんが感じていたのは、若い人向けにスマートフォン用のゲームはたくさんあるのに、シニアが楽しめるようなゲームは全くない、ということでした。

実は若宮さん自身がシニアでも楽しむことのできるゲームの開発を依頼していました。
ですが最終的に、自分で作ってしまおう、ということで開発されたのがhinadan (ひな壇)です。

2016年にMacBook Airを購入し、swiftというAppleが開発したプログラミング言語を学び始め、なんと半年という短期間でhinadanを開発し、翌年の2017年3月3日には正式なスマートフォン向けゲームアプリとしてリリースしています。
3月3日、まさしく雛祭りの日ですね!

遊び方はシンプルで、画面に登場する12体のひな人形の位置をそれぞれひな壇上の正確な位置に合わせていくというものです。
指で人形をタップして、その後その人形が飾られるべきひな壇の位置をタップします。
合っていると、“ポン”と鼓の音が鳴ります。
間違っていると“ブー”といった形です。

この鼓の“ポン”の音、結構好きです。

また、耳が聞こえずらいシニアの方のことを考え、ボタンをタップして操作した時に“五人囃子が押されました”、等、文字でも表示され目で確認できるようになっています。

スワイプでの操作はゲーム内でできないのですが、これもシニアの方の操作性を考慮してのことです。
お年寄りの方は手が震えてスワイプさせることが難しい場合があります。
画像にタップするだけでしたら、比較的に簡単にできます。

このような使う人の操作性であるユーザビリティにも配慮してhinadanは設計されているのです。

ということで、自分も早速ダウンロードしてやってみましたが。
もはや、お内裏様とお雛様の位置さえ、どっちが左でどっちが右ということすら分かりませんでした。T T
でもま~なんとなくここかな、と適当にぽんぽんタッチしていったら、最初の6箇所は全問正解!
完全にまぐれ、その勢いで五人囃子もぽんぽんやってたら見事全部外れ、残念。

このゲームの開発で大変だった部分は、スマートフォンでもiPadでも、しっかりと縦横比等を対応させなければいけなかった点、とインタビューで語っています。

一昔前でしたら、パソコンのみに対応すれば良かったので、1度型を作ってしまえば、それで終了でした。
ですが、今はパソコンにも様々な画面サイズのものがあり、プラスでiPhoneにiPadにと様々なデバイスもあります。
どのパソコン・デバイスで見ても、デザインやパターンが崩れないように各サイズごとに設定する必要があるのです。

今回hinadanを開発にあたり、若宮さんは株式会社テセラクト代表取締役社長である小泉勝志郎さんからスカイプやメッセンジャーを使って指導を受けています。
株式会社テセラクトはスマホアプリの開発やプログラミングの教育を手がける会社です。

そもそも若宮さんは小泉さんにhinadanの開発を依頼していたのでした。
ですが、小泉さんから“自分が開発しても全く話題にならないが若宮さんが開発したとなると確実に大きな話題となる”、そう言われ、そこから小泉さんの指導の下プログラミングの勉強を始めて半年程でhinadanを完成させたのです。

hinadanのアプリを開くとナレーションが始まるのですが、この声は有名な現役の声優さんなのだそうです。
自分は正直全く分かりませんでした。
アニメのキャラとか出してくれたらきっと分かると思うのですが、いやアニメファンの方はきっと一発で分かるのでしょう!

様々な方が関わってhinadanは完成したのですね!

下記動画では若宮さん自らhinadanの使い方を実践して伝えてくれています。

hinadan (ひな壇使い方)
YouTube : https://youtu.be/JE96QgD8d8I


hinadanのアプリはこちらApp Storeから無料でダウンロードできます。

英語への想い

Start (英語への想いイメージ図)

若宮さんは英語でも一部演説されています。

若宮さんが仕事をリタイアし、介護を終えた時には既に70歳。
記憶も低下している中これから英語、というのは難しい、そう本人自身も考えていたそうです。

ですが、TEDxTokyoで登壇し、英語への気持ちが再び芽生えたそうです。

面白いなと感じたのは、若宮さんが、ここでもアプリ開発の時と同様に、英語に対してもシニアなりの学習アプローチがあると考えていた点でした。

実際80歳や90歳の方となると、英語を中学校・高校で学んだ経験がある方はほとんどいません。
当時は英語を話すこと自体が禁止されていたためです。

ですが、カタカナ言葉はありました。
ラジオ、ギター、トイレ、等々。
若宮さんはここに着目しました。

シニアの方は、アパートやデパートと言った言葉にはなじみがあります。
この2つの言葉に共通して存在するのが“パート”というカタカナ。
それではパートとはどういうことなのか?

要するに、言葉を丸暗記するのではなく、関連付けてイメージして覚えていくということですね!

自分はこのイメージする、関連付けるというのは、英語の学習においてとても良い方法ではないかと感じます。

自分自身もちょうど、今新しい英語を覚えようと、毎日暗記しているのですが、普通に単語だけをそのまま丸暗記するだけですと、ほぼほぼ翌日には9割がた忘れています。
ですが、言葉をイメージし、単語だけでなく、文章という文脈の中で関連付けて覚えると、意外と脳に定着していたりするのです。

若宮さんはTEDxTokyoの中で、一部ではありますが立派に英語を話されています。
70を超えてもチャレンジできる、自らがそれを体現されてます。

TEDxTokyoSalon
YouTube : https://youtu.be/G98vScOAHeA




まとめ

Stay Positive (まとめイメージ画像)

若宮さんは、シニアの方だけじゃなく、これからの世代の人にとっても、年齢は関係ないということを伝えてくれています。

また、自分が特に共感したのは、次の世代に引き継いでいきたいと語っていた部分です。

インターネットの木、旅行の木、英語の木、若宮さんはたくさんの木を育て、毎晩水をやっています。
みんなが木を育てることで、それがいつしか森となり、世界に広がり、地球が森に覆われた惑星となる。

自分ができなかったこと、そしてこれまでに培った経験も含めて全部次の世代に引き継いでいく
とても大切なことだと感じます。
むしろ、個人的にはそれは人間の最終的な1つの使命でもあるように感じます。

若宮さんの存在は日本だけでなく世界の人々にとって、とても大きな励みとなると思います。

年齢を口実にやらなかったことを最後に悔やむ人生より、たとえ失敗して恥をかいても、やり抜いたと最期に思える人生、最終的に選択するのはいつだって自分自身、そんなことを改めて感じました。