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グルテンフリーって何?デメリットは?

小麦(グルテンフリーイメージ)

グルテンフリーという言葉を数年前から聞くようになりました。
都内を歩いていると、たまにグルテンフリーのお店も見かけたりするようになりました。

グルテンフリーだからグルテンがフリー、グルテンが入っていないということは理解できるのですが、そもそもグルテンとは何なのか、また、グルテンフリーの食品を取ることによるメリットやデメリットに関してまとめてみました。



グルテンとは?

グルテンとは、タンパク質の一種のことで、小麦や大麦など穀物の表皮にある胚芽と胚乳から生成されます。
グルテンはグルテニングリアジンが結び付くことで生成されます。
パンを作る時など、小麦粉に水を加えてこねると粘りがでてきますが、これは小麦粉なに含まれれる、グルテニンとグリアジンが水を吸収することでお互いが結び付きグルテンが形成されるためです。

ちなみにこのグルテンが含まれる量は、薄力粉、中力粉、強力粉の順に多くなっていきます。
薄力粉を使った料理はホットケーキやクッキー、中力粉はうどんやラーメン、強力粉はパンやピザ等があります。
お麩はグルテンそのものとなります。

グルテンフリーとは?

文字通りですがグルテンを使用しないということですね。
とりわけ注目されているのが、このグルテンが一切入っていないグルテンフリーの食品を取る食事法です。

そもそもグルテンフリーという言葉は、5年前等は自分は聞いたこともありませんでしたが、ここ数年よく聞くようになり、調べてみるとどうやら海外からの影響が強いようです。
現在欧米人の約1割がグルテンに対してアレルギーがあり、そのため本来は食事療法として欧米で以前から浸透していたそうです。

グルテンに反応を起こす身体を持つ人にとってはグルテンフリーの食事は必要不可欠だったのですね。

日本でブームとなる引き金となった1つの要因は、テニス選手のノバク・ジョコビッチの影響が大きいようです。
ノバク・ジョコビッチは2010年頃まで体調不良や鼻づまり等に悩まされていたのですが、グルテンフリーの食事法に変えたところ、身体が軽くなり、鼻詰まり等もなくなり、体重が減少したそうです。
その後、2011年にはウィンブルドンで優勝し世界ランキング一位となりました。
これがきっかけとなり、その他のアスリート選手等もグルテンフリーの食事法を取り入れるようになり、そのブームが日本にも広がったようです。

個人的には、日本ではグルテンアレルギーとしての対策以上に、体重が減少したというダイエット効果がブームの1つの大きな要因ではないかと思います。

グルテンは身体に悪い?デメリットと引き起こされる症状は?

グルテンにアレルギーを持つ人がいることは事実ですが、実際グルテンにはどんなデメリットがあるのでしょうか?
自身が確認した限りで言えることは、小麦やグルテンにアレルギーのある人セリアック病の人に関しては摂取するとデメリットが大きいということです。
ノバク・ジョコビッチ選手もグルテンに関してそもそもアレルギーを持っていたため、グルテンフリーの食事に変えることで体調が大幅に改善されたのだと思います。

病状は大きく分けると、セリアック病グルテン不耐症小麦アレルギーといった形で分類されます。
どれも腹痛、下痢、便秘等の症状は共通しています。

セリアック病

グルテンを摂取しても腸で分解することができず、身体がグルテンを異物と判断し、自らの小腸を攻撃し小腸内膜が損傷します
これにより食物の栄養を適切に吸収できなくなる疾患です。
腹痛、下痢、便秘、貧血、栄養失調、体重減少、慢性疲労等の症状が現れます。

2003年に行われたアーカイブス オブ インターナル メディシン(一般内科とそれに付随する分野に的を絞った専門誌)の調査によると、アメリカでは人口の約1%程、133人に1人が、セリアック病だと言われています。
日本ではセリアック病罹患率は0.7%だと言われています。

グルテン不耐症(グルテン過敏症)

免疫の疾患ではないので、小腸の内膜が損傷することはほぼありません
ですが、グルテンを分解する酵素の不足、又は欠如により、グルテンを適切に腸で分解できず、下痢、腹痛、頭痛、吐き気、息切れ等の症状を引き起こします。
集中力の低下、うつの症状等も現れます。
ブレインフォグと呼ばれる、思考にも靄がかかったような状態にも陥ることがあります。

小麦アレルギー

小麦に含まれるたんぱく質がアレルゲンとなり、免疫が過剰反応すことにより引きこ起こされるアレルギー反応です
下痢、腹痛、じんましん、湿疹、呼吸困難、鼻水等の症状が現れます。
一定以上のグルテン物質を摂取することで、身体の免疫反応が過剰に表れ、関節痛、イライラする、集中力が続かない等の症状を引き起こします。

グルテンを含まない食品と含む食品

グルテンを含まない食品

お米、米粉、フォー、春雨、ビーフン、片栗粉、野菜、肉、魚、果物、卵、ナッツ、豆、十勝そば、たまり醤油、米味噌、豆味噌、日本酒、ワイン等

グルテンを含む食品

小麦、大麦、ライ麦、オーツ麦、パン(米粉は除く)、ピザ、パスタ(グルテンフリーパスタは除く)、うどん、ラーメン、やきそば、そば(十勝そばは除く)、お好み焼き、たこ焼き、中華まん、カレー、揚げ物類(唐揚げ、トンカツ等)、ケーキ、クッキー、ビール等

グルテンフリーと緑の革命

このグルテンフリーという言葉やセリアック病等は、欧米でずっと以前からあったものなのでしょうか?
実際、セリアック病という病状がとりわけ増加したのは緑の革命以後です。

緑の革命は発展途上国での食料問題と貧困を解決するため、1940年から1960年にかけてロックフェラー財団主導で行われた農業革命のことです。
具体的には収穫量の多い品種の導入や化学肥料、除草剤の大量投入し、穀物の生産性が向上し、穀物の大量増産を達成しました。
これにより、実際にアジアで起こるだろうと予想されていた食料危機を回避し、数十億人を餓死から救うことができたと言われています。

この緑の革命による品種改良でできた小麦は、これまで栽培されていたスペルト小麦等の古代小麦と比べグルテンの含有量が莫大に増えました
遺伝子学的にも、それ以前の小麦とは全く異なった小麦と言われ、現在世界に流通する小麦の98%から99%がこの緑の革命後に現れた小麦と言われています。
グルテンを専門とするオランダの研究者ヘティファンデンブルークによると、この突然現れた高グルテンの小麦は、現代の人間の身体は適切に消化することができないとのことです。

現在グルテンにアレルギーを持つ人セリアック病を発病する人は60年前と比べ、最低でも4倍以上に増加したと言われています。




まとめ

グルテンフリーのカフェや食品を見かけるようになってから、わざわざグルテンがフリーのものができるぐらいだから、イメージ先行でグルテンや代表格の小麦は身体に悪いものなのだろうかと思っていました。

けれど、元をたどると緑の革命の時に現在品種改良された小麦に原因があることが分かりました。
また、そもそもアレルギーを持つ人にとって害があるので、アレルギーのない人はそこまで過敏になる必要はないと感じました。
実際に健康な人にとって確実に害であると断定できる研究結果はこれまで報告されていません。
ただ、小麦に限らず、少し値が張っても、なるべく国内産のもの、有機のもの等、自分の体内に入れる物にこだわることは個人的に大切なことなのではと思います。

また、実は本人も気づかずに小麦アレルギーだったり、グルテン不耐症になっている人も多いらしいので、腹痛、下痢、鼻水、倦怠感等これらの症状に日常的に悩まされている人は、試しに1週間程完全にグルテンフリーの食事に切り替えて確認してみるのも良いかなと思います。
グルテンフリーに切り替えて、体調が著しく回復している例もあるので、これで回復したらもうそのままグルテンフリーを続行で良いと思います。
今はグルテンフリーのカフェや食品は欧米に比べてまだ少ないですが、恐らく今度もっと増えていくと思います。

ちなみに先日、グルテンフリーのピザを出す800°DEGREES napolitan pizzeriaというお店が新宿駅南口前にあって行ってたのですが、すごく美味しかったですよ!
あっ、自分は何かアレルギーがあるわけではないのですが、友人が少しグルテンにアレルギーがあってグルテンフリーピザを食べたいということで行ってみた次第です!