レディオヘッドは暗い?トム・ヨークと日本とのつながりは?

2018年10月18日

レディオヘッド(RADIOHEAD)は世界で今なおカリスマ的人気を誇るイギリスのバンドですね。

タイトルにもある通り、確かにその音楽は暗い、のかもしれません。
ですが、ただ暗いだけの音楽ならここまで支持されることはなかったと思います。

一体なぜここまで人気になったのでしょう?

と、こんな書き出しで始めると、いかにもレディオヘッド通と思われそうなので最初に断っておきますが、ただ好きなだけで決して詳しいわけではありません。

高校時代に聞いていた、そして曲をコピーしようとするも、自分のギターが下手過ぎて1曲もコピーできずに終わってしまったという切ない思い出ぐらいです。

ということで、レディオヘッドに関してディープな話をするわけでは全くないのですが、改めてレディヘッドの音楽について、また、日本に関連するエピソードについて取り上げてみたいと思います。



レディオヘッドの音楽は暗い?

RADIOHEAD KID A

レディオヘッドの曲は、暗い、もしくは陰鬱になる、等言われたりします。
なんというかうんざりしてしまうみたいな感じでしょうか。

ちなみにレディオヘッドのボーカルであるトム・ヨークは、自分達の音楽が陰鬱なものであると称されることは最大の侮辱であるとも述べています。

ですが、確かに歌詞を読むと、とても聴いてやる気がみなぎるものではないです。
というか、そもそも一体なんについて語っているのか分からない部分もあります、少なくとも自分には。
いや、本人さえも分かっていないことがあるのかもれしれません。

ですが同時に、強く叫んでいる気がします。
どうしようもない、どう転ぶか分からない、右も地獄なら左も地獄、その隙間をかろうじてなんとか生きている、生き抜いていく、そんな心の叫びのような気もします。

トム・ヨークの独特の感性、それは幼少期に受けたいじめも大きく影響を与えていると思います。

トム・ヨークは左目が生まれつきマヒしたまま産まれました。
6歳までに5回の手術を行っています。

子供の頃何度も転校を経験し、その度に左目のことをクラスメートからかわれいじめられています。
トム・ヨークのこの頃の経験は、大きくその後の彼の音楽に影響を与えていると感じます。

支配される側としての位置を余儀なくされた。
そんな状況の中ポジティブな思考を貫くことは相当困難です。
生まれるとしたら負の感情です、同時に自分が受けたからこそ理解できる苦しみ・痛みです。

自分が好きな曲の中にNo Surprisesという曲があるのですが、そもそもメロディーが入りやすかったこともあり好きだったのですが、歌詞もあ~そ~だなと当時共感したのを覚えています。

“欲しいのは静寂だ、怯えることも驚きもいらない、欲しいのは静かな生活だけだ”

かなりザクっと歌詞をまとめてしまいましたが、そんな感じです。

生きてるといろんなノイズと生きていくことになります。
もはや下手すれば自分自身がそのノイズの一部で、自分の力や見えない力の中で毎回人生アップ&ダウン。
そのうちうんざりしてくるわけです。

ほんと最後の最後に欲しいのは、ただただ静かな暮らしなのだろうな、と当時思ったのを覚えています。
今思えば、高校時代そんな自分病んでいたのだろうか?

鬱から生み出さる音楽

闇の中の光イメージ

上記で記載したように、トム・ヨークが自分達の音楽が陰鬱で気が滅入るものとされることは耐え難いと過去にインタビューの中で答えています。

その理由は、塞ぎこんだり、鬱になったりすることはまるで“正常ではない”かのように扱われている気がするから、と語っています。
トム・ヨーク自身がそのような状態の時に音楽を作ることもありますが、それは実際時に苦しみではありません、むしろボーナスです。
そこからクリエイティブな力・思考が生み出されるから、と述べています。

個人的にもここには同意です。
時に、常にポジティブで社交的であるべき、陰気で内向的なことはダメといった雰囲気が社会にはあります。
正確には、今は、“ありました”、と過去形で言ってもいいような時代かもしれません。
ですが、仮に陰気や鬱・内向的を黒と位置付けると、黒だからこそ生み出すことのできるクリエイティビティがあります。

ビル・ゲイツウォーレン・バフェットアルバート・アインシュタインオードリー・ヘップバーンJ・K・ローリング、その他にも世界に多大な功績を残した数々の人物が内向性であったとされます。

それは苦しみではないと語ったことにも自分は同意です。
ここはもしかしたら自分はトム・ヨークと解釈がずれているかもしれませんが、苦しみ自体は個人的にはむしろ、幸せなことではないかと感じます。
とざくっと書くといろいろ誤解を招きそうな気がしますが、ここについて深く話すと長くなるので省略します。

トム・ヨークが語ったように、それはボーナスでもあるのです。

トム・ヨークにとって、自分の音楽がただ陰鬱で気が滅入るものだと称されることは、自分自身の根源、また自分と同じ境遇の人達・境遇だった人達全てを否定されているかのように映るのかもしれません。

トム・ヨークはむしろ政治と環境問題に熱い

地球儀と緑(エコイメージ)

一見音楽は暗いものが多い気がしますが、実際自分にはトム・ヨークは真逆な感じです。
いや、正確に言うとその両方かもですが、

かなり熱い!

歌詞も社会や政府に対して、思いっきり熱く叫んでいます。
しかも、中途半端な叫びではなく、はっきりと心底叫んでいます。
“窒息しちまえ”と言った具合に。

イラク戦争ではブッシュ大統領を痛烈に批判していました。
また、最終的に自国のリーダーであるトニー・ブレア首相も批判し、両方とも“ライアー(嘘つき)”だと。
2008年にテレビ出演し演奏した際には、アメリカの京都議定書離脱に関し“拒否、拒絶”と曲の中でブッシュ大統領に対し批判のメッセージを送っています。

環境問題に関しても、トム・ヨークは強く敬称を鳴らしています。
むしろ“The Clock”は環境問題をテーマに作られた曲です。
“もう時間がないんだ、目を覚ませ”と。

トム・ヨーク自身、環境に多大な負担を与える音楽業界を嫌っている面があります。

実際、コンサートでは多大な電力が消費されます。
また、毎回ツアーで本人達が移動する際、交通という面でエネルギーが消費され、そこに集まってくる人達が仮に全員車で移動してきたら、これも大きく地球環境に負荷をかけます。
また、ライブで発生する大量のごみも軽視できません。

過去にトム・ヨークは日本でライブをする際、エネルギー消費の面から飛行機は使いたくない、本気で列車で行くことも考えていると語っていたことがあります。
さすがに列車で日本へ来れないので、途中まで列車で最後は船?もしくは最後の短い距離だけ飛行機、といったことを考えていたのかもしれません。

レディオヘッドはコリンを除いてベジタリアン

有機野菜(ベジタリアンイメージ)

自分は全然知らなかったのですが、レディオヘッドはベーシストのコリン・グリーンウッドを除いて全員ベジタリアンなのだそうです。

The Smithsの“Meat is Murder”という曲にインスピレーションを受け、ベジタリアンになったそうです。
2007年にはMeat is Murderをカバーしています。
実際に肉食にすると体調も悪くなると本人は語っています。

Meat is Murder、自分も聞いたのですが、中々に過激な歌詞でした。
自分もセミ・ビーガンではありますが、もはや白と黒といった過激な歌詞。

ですが、レディオヘッドの歌詞を見ていると、ベジタリアン・ビーガンに共通する思想が読み取れるのも確かだと感じました。

トム・ヨークは、“最も大切なのは自分で選んで自分自身で決めていくことだ、それは周りがどうであろうが、誰かに邪魔されるものではない”、とベジタリアンについてインタビューで語っています。

トム・ヨークと日本に関して

狐のお面とギターとレディオヘッドのアルバム(トム・ヨークと日本のつながりイメージ))

日本は好きとブログで語る

トム・ヨークは日本は大好きだと過去にレディオヘッドの公式ブログの中で語っています。
2011年の東日本大震災に関しても、“日本がここから立ち上がり、私達みんな(世界)の手本となるのを見たい”と語っています。
同時に、インタビューでは原子力発電についても、日本が原子力に依存しなくてもいける道に進むことを願っていると語っていました。

村上春樹が好き

トム・ヨークは村上春樹のことも好きだそうです。
実際に村上春樹の作品である、ねじまき鳥クロニクルを読んでおり、2003年に発売されたアルバムである、“Hail To The Thief”にインスピレーションを与えたと本人が語っています。

日本語を勉強していた?

トムとジョニーは、少しの間ではありますが、カーオーディオで日本語の学習テープを流して日本語を勉強していたそうです。
確かに自分が日本人のアナウンサーとのインタビュー動画を見た時、最初に“どうぞ”と日本語で席をアナウンサーに勧めていました。
2003年のサマーソニックでもクリープを演奏した後、“こんばんは”と日本語で話したそうです。

個人的には、しっかり勉強していて話せるというより、本当に基礎的な“こんにちは”“ありがとう”“さようなら”と言った一部のベーシックな日本語が話せる・理解できるぐらいの感じだと思います。

それでも、英語で全て話すのではなく、その国の言葉を少しでも使おうとしてくれる、というのはファンに取ってもとても嬉しいことだと思います。

日本人ダンサーの高瀬譜希子さんと共演

あの独特のダンスは話題になりましたね。

“Lotus Flower”の中でユニークなダンスを披露したトム・ヨークですが、その後に同じ制作チームによって手掛けられたのが“Atoms For Peace-Ingenue”
この中で一緒に踊っている女性は日本人ダンサーの高瀬譜希子さんです。
英国ロイヤル・バレエ団の振付家でもある鬼才ウェイン・マクレガーのカンパニーに振付師として所属している方です。

このAtoms For Peace-Ingenueのダンスはかなり記憶に残っています。
自分にとっては初めてみる動きのダンスだったので、なんというか中毒性のあるダンスでした。

ウェイン・マクレガーは、Lotus Flowerでトム・ヨークが踊るのを見た後、動きが本物だと感心したそうです。
本人はダンスは子供の頃は大好きだったがすごく下手、今は1日に1~2時間ヨガをやっているとのことでした。




映画告白の主題歌にLast Flowers

2010年に映画化された“告白”の主題歌としてレディオヘッドの“Last Flowers”が使われましたね。

いとこが出演していて見てみてと当時紹介され、見たら主題歌がいきなりレディオヘッド、びっくりしました。
“えっ?レディオヘッド?すごいね?”と話すと、誰それ?的な感じですぐ素に戻りました。
聞いた瞬間、あっ、この曲自分はかなり好きだと思いました。

Last Flowers、ファンの間で幻の名曲と称されています。
決して明るい曲ではないのですが、トム・ヨークが絞り出すように歌っていて、心に語りかけてくるものがあります。

内容は、いろいろな解釈ができると思いますが、本人いわく孤児院をイメージして書いたそうです。

周りの物事に圧迫され、直視できない、そんな状況が語られています。
“いつか語る時には遮らずに聞いてくれ”、これは社会(仕組みや物理的に見える物)から個人(見えない部分)についてまで全てのことを含んでいる気がします。

最後の部分は、“あまりに多く、あまりに明るく、あまりに力強い”、と締めくくられています。
プラスの意味なのかマイナスの意味なのか、または全く別の意味なのか。

いずれにしても、トム・ヨークの叫びが込められた曲だと感じました。

レディオヘッドを中学時代に聞いていたPredawnもお勧めです
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