うなぎは絶滅危惧種なのになぜ食べるの?

2021年7月31日

うなぎは絶滅危惧種なのになぜ食べるの?

うなぎって日本では大人気ですよね。
土用の丑の日はうなぎ、スーパーでは大売り出しです!

ですが、うなぎは絶滅危惧種に指定されています。
知ってる人も多いかと思いますが、でもやっぱり食べますよね。

なぜでしょう?

普通に美味しいし普通に売ってるから”ですね、結論からさくっと申し上げますと。

ですがここでは、そこからもう少し深く迫って、うなぎの裏の部分について水産庁のデータと国際自然保護連合のレッドリストも参考にお伝えしたいと思います。



なぜ絶滅危惧種のうなぎがお店で普通に売られているの?

うなぎは2014年に絶滅危惧種に指定されました。

ですが土用の丑の日には今も変わらず大売り出しされます。

買える環境があれば、美味しくてお手頃な価格でしたらそれは買いますよね。

でも絶滅危惧種をそもそも販売してよいのかな?
と思う方もいるかもしれません。

ですが、うなぎが指定されている国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストそのものには法的な拘束力がないのが実際です。

あくまで絶滅危惧種として評価されただけで、違反ではないのです。

絶滅危惧種(絶滅のおそれのある野生生物)は3つのカテゴリー・に分かれますが、うなぎが位置するのはその中でも2番目の危機の高さであるEN(Endangered)です。

  • CR(近絶滅種)
  • EN(絶滅危惧種)← 日本のうなぎはここに位置
  • VU(危急種)

最も危機が高いCR(Critically Endangered)には入っておりません。

個体が消滅する危機に瀕している場合等は、国際法であるワシントン条約により本格的に規制されますが、そこまでの危機レベルのランクに入っていないのが現状です。

また、うなぎは日本だけでなく海外でも絶滅の危機に瀕しています。

北アメリカの東岸とカリブに生息するアメリカうなぎは、日本と同じくEN(絶滅危惧種)に位置します。

ヨーロッパに分布するヨーロッパうなぎにいたっては、更に上のCR(近絶滅危惧種)に位置しているのです。

うなぎを食べても問題ないの?

では、うなぎを食べても良いのでしょうか?

正直ここからは個人の考え方といった部分にも関わってくるのではないかと思います。

実際にうなぎが絶滅の危機に近づいているのは事実です。
だからこそレッドリストに指定されているのです。

レッドリストの中でも危機レベルとしては2番目のEN(Endangered)ですが、もう次のCR(Critically Endangered)の一歩手前の状況なのです。

水産庁のシラスウナギの採捕量のデータでは、1963年に232トンものシラスウナギが採れていたのが、その後年々減少し、2020年には17.1トンとなっています。

水産庁のシラスウナギの採捕量のデータ

60年近くの間に200トン以上減り、当初の1/13以下の採捕量となってしまっているのです。

そもそも普段口にするうなぎの半分以上が違法に取られている可能性も高い

国内で養殖される二ホンウナギの半分以上がそもそも違法に漁獲され流通しているという指摘があります。

こちらが参考にさせていただいた記事となります。
ウナギを食べ過ぎると絶滅するらしいけど、結局食べていいの? 専門家に聞く4つの質問

シラスウナギは高値で取引されるため、密漁や密輸・漁獲量の過少報告がされていると言われています。

うなぎは20cm以下のものは捕獲が禁じられており、シラスウナギももちろんこの対象に含まれます。
養殖のための捕獲であっても都道府県知事の特別採捕許可を受ける必要があるのです。

ですが、実際にはこの許可を受けずに密漁したり、許可を受けていても実際の数値を過少に報告する、といったことが起こっています。

また、中国や台湾からもうなぎは輸入されています。

2019年の輸入量は31410トンです。
対して国内生産量は17139トンです。
(水産庁ウナギ供給量の推移データより)

輸入量が国内生産量の倍近くあるのです。

今私達が食べている半分以上のうなぎは輸入されたうなぎです。

国内の池で養殖された場合国産と表示されますが、実際は養殖池に入れる稚魚は海外で取れたものを輸入しているものも多いです。

主な輸入国が中国です。

輸入されるうなぎは密輸されている可能性も含みます。

実際に2020年には、絶滅危惧種であるヨーロッパウナギを密輸した貿易商のギルバート・クーという人物が有罪判決を受けています。

密輸先は香港です。

香港から中国の違法な飼育場、そこから最終的に日本を含むアジアの国々へ輸出されるという構図ができあがっているのです。

今回の有罪判決もほんの氷山の一角に過ぎません。

知らず知らずのうちに違法ルートでまわってきたうなぎを私達も口にしている可能性が高いということです。

ちなみにこの密売や違法ルートは日本国内でも起こっています。
うなぎは裏の一大ビッグビジネスでもあるのです。

絶滅の危機にあるうなぎを守るための代替案

上記にあげた通り、知らず知らずのうちに違法に取られたうなぎを食べている可能性は高かったりもするのです。

公に普通にいたる所で売ってますし、まさか違法のものが混じっているなんて誰も思いもよらないと思います。

うなぎの絶滅を少しでも遠ざけるには、“認証制度をパスしたうなぎを購入する”・“代替食に切り替える”、という方法があります。

海のエコラベルMSC・ASC認証を取得したうなぎを購入する

少しでもうなぎの生態系を守りたい場合、しっかりと認証制度をパスしているうなぎを購入することが1つの方法です。

スーパーで有名なイオンは海のエコラベルでもあるMSC認証とASC認証の両方を取得しています。

MSC認証持続可能で適切に管理され、環境に配慮した方法で漁獲された天然水産物の認証です。

ASC認証環境や社会に配慮した養殖場で生産された水産物の認証です。

うなぎに限らずこのMSC認証・ASC認証のある水産物を選ぶことは、水産資源の保護に寄与します。

イオンのスーパーで認証マークのついたうなぎを購入することは、違法なうなぎを購入せず水産物生態系の保護にも寄与します。

代替うなぎとして豆腐と湯葉の蒲焼きを購入する

現在世界では代替食が大きな注目を集めています。

環境問題や将来の食糧危機の観点から肉や魚に変わる食が注目されているのです。

実際に世界での需要は年々伸び、その傾向が日本にも遅れて入ってきています。

ここ数年では大豆から作ったハンバーガーや加工食品のソイミート等もスーパーで見かけるようになりました。

うなぎも例外ではありません。

豆腐に国産の湯葉をまぜ、うなぎのふわふわした食感と歯ごたえを再現したのが豆腐と湯葉の蒲焼きです。

レビューを見ると、ボリュームもあって美味しいとのことでした。
美味しいのでリピートして購入している方もいれば、豆腐感はやはりある、というコメントも。

実際に自分で食べてみないと分からないので今度購入してみたいと思います。

絶滅危惧種のうなぎが食べられる理由まとめ

うなぎはそもそも純粋な日本産は全体の1%に満たないとも言われますね。

国産と表示・販売されているうなぎでさえも、養殖池に入れる稚魚は海外で取れたものを輸入していることが多いというのが実情です。

そしてその稚魚のルートは不透明であることも多いのです。

本当に純粋な日本産うなぎは、うなぎ専門店で数千円以上の価格で提供されるのだと思います。
チェーン店等で出される1000円前後の安いうなぎは、日本産だと謳っていない限りは基本中国産だと思われます。

レッドリストにのっても、違法の可能性があってもうなぎが売れるのは、やはり美味しいから、美味しいものを食べたい、という人間の食欲には勝てないのです。

そして提供する場所・購入できる場所があるからです。

江戸時代、平賀源内がマーケティング戦略としてうなぎ屋のため生み出したアイデアが土用の丑の日。
見事に大当たりでしたが、結果今では度を超えてうなぎは絶滅危惧種にまでなってしまいました。

たまたま商売のターゲットとなってしまったウナギという魚がなんだか気の毒に・・・、昔さんざん食べといてなんですが。

土用の丑の日は、購入する前にうなぎについて少し想いを馳せてみるのもよいかもしれません。